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公開記念舞台挨拶 オフィシャルレポート到着!

6月4日(土)に、公開記念舞台挨拶が行われ、主演の檀れい、石丸幹二、 町田啓太、森マリア、田口浩正、藤吉久美子、田中要次、六平直政、河相我聞、原田龍二、永岡佑、高瀬哲朗、梅舟惟永、木越明、監督・脚本を務める水谷豊ら、弥生交響楽団を演じた総勢 15 名がシックなドレスとタキシードに身を包んで登壇。劇場に詰めかけた満員の観客の拍手に迎えられました。

まず初めに、公開初日を迎えた気持ちを聞かれると、弥生交響楽団主宰者・花村理子役の檀は「本当にたくさんの方が足を運んでくださり胸がいっぱいです。そして、もう一つ嬉しいことがあります。弥生交響楽団の愉快な仲間たちが 1 年ぶりに勢揃いしました」とこの日を迎えたことに感極まった様子。花村理子を支える鶴間芳文役を演じた石丸は「こうして会場に多くの方々が観に来てくださるという現実を嬉しく思っております。 この映画を観て、皆さんも生きるエネルギーを持って帰っていただきたいです」と熱い想いを語り、トランペット奏者・田ノ浦圭介役の町田も「解散したはずの皆さんとまたお会いできて本当嬉しいです。撮影は 1 年前なので懐かしいですが、 やっと皆さんに観ていただけたことに本当にほっとしています」と喜びを語りました。

また、監督を務める 3 作目となる水谷は「改めてこの映画にはこんなにたくさんの役者さんが出られていたんだと思いました。そしてこんなにも素晴らしい役者の方々と仕事をできたんだと改めて思いますし、お客様の前にこうして立つことができて、本当に感無量です」と喜びを噛みしめていました。

楽器演奏シーンはキャスト自らが演奏し、吹き替えなしで撮影されている本作。プロに教わりながら猛練習した演奏について、町田は 「とても大変でした。試練でした(笑)。皆さん、とても練習されて現場に入られていましたが、演奏シーンの前は大先輩の方々でもこんなに緊張されるんだと思いました。楽屋で皆さんがずっと練習されていて本当の交響楽団のようで、良い雰囲気でした」と撮影を振り返りました。

ホルン奏者・遠藤正道役の田中は「ホルンも音が大きいので、家でミュート(消音器具)を付けて練習しても正しい音が出なくて実感が湧かなかったんです。なので、よく東映に行って先生と一緒に練習していました」と話しました。


一方、ヴァイオリン奏者・宮園あかり役の森は「練習も大変だったんですけど、まったく苦じゃなかったです。それにこの交響楽団ではヴァイオリンは 3 人娘なので、毎日楽しく過ごしていました」と振り返りました。さらに、ヴァイオリン経験者でもある森が練習時間について聞かれると、「1 日 7 時間練習していました」と回答。これには共演者一同からも驚きの声が。しかし、森に対抗するかのように、コントラバス奏者・吉村益雄役の六平が「私も 1 日 7 時間練習しました。私の自宅はコンクリートの豪邸なので地下で練習しました(笑)」と得意げに笑いを誘う場面も。

チェロ奏者・与田清役の原田も「楽譜が読めないので、先生の演奏風景や手元を動画で撮影し、 それを自宅で観て、繰り返し繰り返し練習していました」と楽譜が読めないことによる苦労を明かしていました。


オーボエ奏者・牧田九里郎役の田口は「1 日 8 時間練習しました(笑)。ラストコンサートの演奏シーンなんかは、すごく手が震えていました。演奏し終えた後、監督が駆け寄って来て『今の大丈夫?自分はOK だけど田口さんはどう?』と聞いてくれました」とラストコンサートでの演奏シーンの緊張感について語ると、クラリネット奏者・中⻄浩二役の永岡は「楽器を演奏してもいい家の近くの公園で吹いていました。でも周りにも管楽器を練習している方が結構いらしゃって。皆さんとても上手いので、その人たちがいない時間帯を見計らって行って、少しだけ吹いて帰るというのを繰り返していました(笑)」と独自の練習法を明かしいていました。

ヴァイオリン奏者・山野はる美役の梅舟は「一応ヴァイオリン経験者ですし、ヴァイオリン 3 人娘の⻑女として、『頑張らなきゃ!一生懸命引っ張らなきゃ!』と思っていたんですが、演奏シーン本番はガクガク震えて緊張しました」と振り返ると、同じくヴァイオリン 奏者・太田なつ美役の木越も「役者として演奏家の役をできることは夢だったので、叶って本当に嬉しかったです。あと、弦を抑える指の皮もめくれて、シャンプーで髪を洗う時も片手しか使えないくらい大変でした」と話し、体を張って撮影に臨んだことが伺えました。

また、ファゴット奏者・菊池良太役の高瀬は「最初はチューバ、その次はティンパニで、撮影の 3 か月前にやっとファゴットになったんです」と担当楽器が何度も変更になったという裏話を披露。これに対し水谷も「本当にすみませんでした……」と一言。

さらに、フルート奏者・池田絹役の藤吉は「フルート奏者役をいただいたことが本当に嬉しくて、夫に内緒でマイフルートを買ってしまいました(笑)。家でも練習していましたが、ご近所の方からは『好きな曲だから頑張って!』『だいぶ上手くなったわね』と声をかけていただきました」。

副指揮者・片岡辰雄役を演じた河相は「皆さんを見てうらやましいなって思っていました。僕も本当は指揮棒を振りたかったので、YouTube を観て密かに練習もしていました。ただ、最後まで指揮棒を振ることはなかったですが(笑)。でも、演技指導を水谷さん自身にしていただいいて本当に楽しかったです」と本作に出演した喜びを語っていました。


続いて話題は、本作のポスターにも書かれている「Life is a miracle!」という言葉にちなんだトークに。身近に起こった“小さな奇跡” について聞かれた檀は「コロナで撮影が 1 年延期になりました。撮影は全てが順調にいくわけではなかったですが、何かあってもこの作品では色んな奇跡が起こりました。お天気も味方してくれましたし、急な変更が功を奏したこともあって、小さな奇跡の集まりのような作品だと思います」と本作を熱弁。

一方、石丸は「学生の時にサックスを持って電車に乗っていたら、ラッシュに巻き込まれて楽器を持って降りることができませんでした。ただ、駅員さんが要所の駅にリレーのように連絡を取ってくれて、その駅員さんたちの姿が僕にとってのミラクルでした。ただ結局、楽器は戻ってきませんでした。皆さん楽器はぜひ忘れないでくださいね!(笑)」と学生時代のエピソードで笑いを誘っていました。

さらに、町田が「雨が降って撮影できないんじゃないかというときに、監督が『ちょっと待っててね』 と仰ると、本当に雨が止むんです」と撮影で起こった奇跡的エピソードを披露すると、森も「そうでしたね!水谷監督は“天気を操れる男”とお聞きしました」。これに対し水谷は「本当なんですよ。しかも雨も呼べるんですよ(笑)」と返し、会場を笑わせる一幕も。


最後に登壇者を代表して、檀は「生きていたら嫌なことも悲しいことも辛いこともあると思います。それは誰に人生でも同じだと思います。でもこの映画を観て『人生ってそんなに悪くないな』という気持ちになっていただけたら嬉しいです。皆さんにとって大切な方に ぜひこの映画のことを話してください」とコメント。

水谷は「太陽のおかげで毎日こうして生きていられるんだなと思っていました。それで太陽への感謝も込めてタイトルにも付けました。また、撮影する時の演奏シーンはとても大変で、出演者の皆さんの努力がなければ 『太陽とボレロ』は完成しませんでした。何より我々の辿り着いた世界を見届けてくださった皆様、キャスト、スタッフ一同、心より感謝しております」とイベントを締めくくりました。

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